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2026年3月、住宅ローンを抱える家庭に静かな変化が起きています。
三菱UFJ銀行と三井住友銀行が変動金利の基準金利を引き上げ、「これから返済額はどうなるのか」と不安を感じている人も多いのではないでしょうか。何が起きているのかを把握してから、冷静に対策を考えていきましょう。
2025年末、日銀が動いた
2025年12月19日、日本銀行は政策金利をさらに0.25%引き上げ、0.5%に設定しました。これが今回の変動金利上昇の起点です。
変動金利は「短期プライムレート」に連動しています。日銀が政策金利を引き上げると銀行の資金調達コストが上がり、短期プライムレートが見直される。各銀行が住宅ローンの基準金利を引き上げるのは、この流れに沿ったことです。
長く続いた超低金利の時代から「金利のある世界」へ、変化が加速しているのは確かでしょう。※日本銀行 金融政策決定会合(2025年12月)より
各銀行、2026年3月の対応は?
今回、三菱UFJ銀行と三井住友銀行が例年と異なる動きを見せました。変動金利の見直しは通常、年2回(4月・10月)が慣例ですが、両行はそれに先駆け3月に前倒しで基準金利を引き上げています。異例の対応ですよね。
- 三菱UFJ銀行:2026年3月1日付で基準金利を改定。新規借り入れは0.275%引き上げ、借り換えは0.25%引き上げ。毎月型の返済額への反映は2026年4月返済分から。※三菱UFJ銀行公式サイト(2026年3月)より
- 三井住友銀行:新規・借り換えともに0.25%引き上げ。返済額への反映は2026年7月返済分から。
他の銀行は2026年4月の一斉見直しで同水準の引き上げを行う見通しです。ネット銀行も例外ではありません。
返済額への影響、実際の数字で確認する
金利上昇が家計に与える影響を、試算で見てみましょう。
【試算の前提条件】
借入額:3,000万円 / 返済期間:35年 / 元利均等返済
金利変動前:年0.5% → 変動後:年0.75%(+0.25%)
- 金利0.5%のとき:月々の返済額 約77,900円
- 金利0.75%のとき:月々の返済額 約81,300円
- 差額:月約3,400円増 → 年間で約4万円の負担増
月3,400円という数字を「大したことない」と感じる人もいれば、年4万円の増加が家計を圧迫すると感じる人もいるでしょう。残債が多いほど、残返済期間が長いほど影響は大きくなる点は押さえておきたいところです。※試算は元利均等返済の概算。実際の返済額は借入条件により異なります
5年ルール・125%ルールがある間は安全?
多くの銀行の変動金利には、借り手を守る2つの規定があります。
5年ルールは「金利が変動しても5年間は毎月の返済額を変えない」という取り決め。125%ルールは「返済額を見直す場合でも従来の125%を上限にする」という緩衝策。急激な負担増を防ぐための仕組みです。
ただし注意も必要です。見かけ上の返済額が変わらなくても、金利上昇分が元金の返済に回らず利息に消えていきます。支払総額は確実に増えている点は知っておくべきでしょう。また元金均等返済を選んでいる場合はこれらのルールが適用されないため、金利上昇は翌回以降の返済額に直接反映されます。自分がどちらで返済しているか、この機会に確認しておくと安心です。
ネット銀行の変動金利は今どこに?
住信SBIネット銀行や楽天銀行などのネット銀行は、メガバンクより低い優遇金利を維持してきました。2026年3月時点では優遇後金利が年0.3〜0.5%台の水準の銀行が多い状況です。
ただし今回の日銀利上げを受け、4月以降の新規貸出金利引き上げが見込まれています。現在の低金利がいつまでも続くとは考えにくく、今後の政策動向を注視していく必要があるでしょう。※各銀行公式サイト(2026年3月時点)。金利は変動します
変動か固定か、どう判断するか
「このまま変動で続けるべきか」という問いへの答えは、借り手の状況によって変わります。
変動を続ける判断が合いやすいのは、残債が少ない、残返済期間が短い、繰り上げ返済の余力がある、という条件が揃っている人です。金利が上がっても対応できる余地があれば、低金利のうちに元本を減らしていける。
固定への借り換えを検討する価値があるのは、残債が大きく返済期間も長い、収入に変動リスクがある、金利がさらに上昇した場合に家計が苦しくなりそう、といった場合ではないでしょうか。フラット35などの長期固定金利は2026年3月時点で年1.8〜2%台の水準。変動との差はまだ1%以上ありますが、借り換えコストも含めた総返済額の比較が必須です。※住宅金融支援機構 フラット35(2026年3月時点)
今から取れる3つの対策
状況を把握したら、具体的な行動に移しましょう。
- 繰り上げ返済で元本を減らす:金利上昇のダメージは残債に比例します。手元に余裕資金があれば繰り上げ返済が有効。どれだけ返済額が変わるかは銀行のシミュレーターで確認できます。
- 固定への借り換えを数字で比較する:感覚で判断せず、総返済額での比較が大切です。借り換え費用(事務手数料・保証料等)も含めて試算した上で判断しましょう。
- 金利上昇シナリオを事前に想定する:さらに0.5%上昇した場合に月々の返済額がいくら増えるかをあらかじめ計算しておくと、いざという時に焦らずに済みます。
ローンの借り換えや返済計画の見直しは専門的な判断が必要な場面も多く、一度ファイナンシャルプランナーに相談することで、自分の状況に合った選択肢が見えてくるかもしれません。